『…花音………』


目の前にいたのはルカだった。


「嘘…ルカ…どうして…。私、ずっとあなたを探してたんだよ…?」


信じられない…
またルカに会えるなんて…



『花音、僕はもう死んでるんだ…』

「……え…………?」


死んでる…って……


「嘘…だよね……?」

『…君自身、気づいてるはずだよ…花音』


私自身…?
何それ、どういう事…?


『僕は死んでいて、その生まれ変わりが君なんだ…』

「……そんな……」


そんな事ない…
そう言いたいのに言えない。


私……
どこかで気付いていたのかもしれない。


私の魂が、ルカの魂だって…



『僕の魂が100年の時を経て生まれ変わり、君が生まれた。僕と君は二人で一人なんだ』

「…ルカ………」


100年……
近くにいたと思っていたルカと私の間には、そんな果てしない時の溝があったんだ…


ずっと…ずっとあなたを探してたけど…



「ルカは…この世界のどこにもいなかったんだね…」


あぁ…悲しい……
涙が溢れて止まらない。


ずっと…どこかで生きてるって思ってた…


この世界のどこかにいるって…



『過去に君が迷いこんだ時、君と出会ったよね。その時、僕は希望を見つけた。君という存在が、僕の希望だった』

「私が…希望……?」


そうだ……
初めて夢で出会った時もルカは私を唯一の希望だって言ってた。


「でも…私は…力を使ってた…」


ルカの願いを叶えられなかったのに…


『確かに、花音は力を使った。でも、君はその選択を後悔しなかった。君自身が望んで救う事を選んだ』

「うん。私、後悔なんかしてない…」


皆を守りたい。
この世界に生きる大切な人達が幸せになれるように…


その世界を救いたい。



「この思いは変わらないよ…」

『僕は、そんな花音なら、ルチアの悲しみの連鎖を止められるんじゃないか…そう思うんだ…』

「私…が………」



私が…ルチアの悲しみを…