「…私…また何も出来ない…の…?」


ルリの言う通りだ…
無力だ…


守られてるだけ。
ただ足を引っ張るだけ…


そんなの嫌………


『…花音……』

ルカ……
私、どうして何も出来ないんだろう…


どうして………
力があっても、みんなを守れないなんて…


『…僕は…託すべきだったんだね…』

「…え………?」

『君の盾になるんじゃない。君を守る者達に矛を与えるべきだったんだ…』


何を言って………


『花音、本当は、ずっと僕が守ってあげたかった。でも…本当に無力なのは僕だったね…』


ルカ…何を……?


『いつだって君に触れ、守ってあげられる彼等に托そう…』


…どうしたの?ルカ…
お別れみたいに聞こえるよ?


不安になる…
違うよね…?



『お別れだよ…僕の花音…』

「…ルカ………?」


私はゆっくりと立ち上がる。


―パアアアアァ


目の前で光が瞬いた。
それは人の形を象る。


「なんだ!?」

「花音、どうしました!?」

「お前、何して…」


三人の声が聞こえる。
でも今はそれどころじゃなかった。



ルカとお別れ…?
どういう事…………?