「私は…仲間と一緒に、世界を救う為に…旅を…」
「そうか…」
「うん…。ごめ…巻き込んで……」
「お前は何もしてねぇだろ。謝るんじゃねぇ…」
でも…ごめんね……
今は…優しくされる事が辛い…
「今…願うから…」
今度こそ力を使ってみんなを助けなきゃ…
「ルチアの…力よ…」
―パアアアアァッ
この村を……
―ドクンッ
「うっ…あぁっ!!!」
―バチバチッ
胸が…痛い……
今度は肌が焼けるように痛む。
「お前…なんだよこれ…」
ロイは私の胸元を見て目を見開く。
「え……?」
同じように見てみれば薔薇の刻印からツルのような刻印が伸びて体中に広がっていた。
「それは刻印よ」
「!!!!」
「!!!!」
突然聞こえた声にロイが両手に短剣を構えて立ち上がる。
「こんにちは、僕」
馬鹿にしたような笑みを浮かべ、現れたのはルリだった。
「てめぇ…何者だ…」
「私?私はルリよ」
「そんな事を聞いてんじゃねぇんだよ…」
ロイはルリを睨みつける。
「野蛮な獣の一族か…。この私に牙を向くなんて愚かね」
「てめぇ…」
ルリは宙に浮いたまま魔物を従えて佇む。
「花音?私からのプレゼントは喜んでもらえたかしら?」
「…この刻印…あなた…なんだね……」
ルリを睨みながら見上げれば、ルリは嬉しそうに笑う。
「その顔…その顔が見たかったのよ!!苦しくて苦しくて痛みに歪んだその顔!!ふふっ…穢れていくあなたの姿を見るのは快楽ね」
「なんだ…こいつ…。沸いてやがる…」
「あら、獣には興味はないわよ」
ルリは冷めた目でロイを睨んだ。
「…やめ……」
「花音、あなたその獣が大切なの?」
ルリはいい玩具を見つけたと言わんばかりにニタリと笑う。
まずい……
本能でそう感じる。
「…ロイ、逃げっ……」
「行きなさい!!」
ルリの一言で魔物がいっせいにロイへと襲い掛かる。
「ロイっ!!!!」
「チッ………」
とっさに目をつぶる。
嫌…嫌………
目を開けたくない。
やだ……何で………


