ルチア―願いを叶える者



「…そうかい…。沢山沢山頑張ってきたんだねぇ…」


………え……?
私が…頑張ってきた?


…違う。
私は何もできなかった。
何もできなかったんだ…



「私は、何も頑張ってなんか…」

「その不安を、仲間には秘密にしてきたんだろう?苦しくても、苦しいと言えないのは何よりも辛い事だからね…」


あ………
そうだ…
苦しかった。
使命感がものすごく重かった。


誰かに…聞いて欲しかった。


「私……本当は恐かった…」


何故か涙が流れた。



「恐かったの…」


メリラおばさんの手が頭を撫でてくれる。


温かい……


今は誰も見てないから…
今だけは、甘えてもいいよね…?



私はメリラおばさんの前で沢山泣いた。


涙が枯れないのが不思議なくらいに…