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「ここがシオ村だ」
ロイに連れてこられたのは殺伐とした荒れ地に数えられるくらいの家があるだけの場所だった。
「これは………」
「驚いたか?」
驚いた…というより…
これは異常だ。
草木も枯れ果て、人の気配もない。
「なんで…こんな事に…?」
「お前は知らねぇのか。この村は、魔物の発生源なんだよ」
魔物の…発生源…?
「国はシオ村を見捨て、生活物資の流通も断ち切られた」
「そんな………」
シェスは、どんな命も見放さなかった。
民、一人一人の命を守ろうとしてたのに…
ウルセウスの国王は…?
どうして…
「だから俺達は盗賊やって食っていってる。魔物が出やすい夜は身を潜めて過ごす。それでも、何人死んだか…もう分からねぇ…」
ずっと…戦ってきたんだ…
「どうして魔物が?」
「さあな。1年前に突然魔物が村を襲った。悪夢だな、あれは………」
一体…何が……
―ピキンッ
「え………?」
村に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。
「どうした、早く入れ」
「あ…う、うん」
これ……
もしかして…?
ビラーの時と同じ空気。
ルリの力…なのかな…?


