ルチア―願いを叶える者



「…なんか、事情があんのか?」

「え……」


私の方は見ずにロイはそう尋ねる。


「無理に話さなくていい。他人を簡単に信用すんな。」


その瞳は何故か悲しそうだった。


「でも…………」


私は、この人を信じられる…


「私は、ロイに助けられたよね」

「…あ?」

「他人である私が、あなたを傷付ける可能性だってあったはずなのに…」


それでも私を助けてくれた。


「だから…私をロイを信じるよ」

「な…変な奴…」


あ…照れてるのかな?


ロイはふいっとそっぽを向いてしまった。
耳が赤い。


そんな様子に少し笑ってしまった。