ルチア―願いを叶える者



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「…お前、どこの国の人間だ?」

「え…?」


村までの道のりで唐突に髪の事を聞かれた。


「そんな髪色、見た事ねぇ。あぁ、目も桃色なのか」


あぁ!
私の髪、桃色なんだっけ。やっぱり慣れないなぁ…


「私は…えと……」


なんて言えばいいんだろう…
異世界から来ましたって?
そんなこと言ったら、ルチアってばれちゃう………


今回だって私がルチアだからさらわれたわけだし…


「あ…あははははは…」

「何笑ってんだお前」



ついに頭の中がショートした。


「えーと…ルアーネ…かな…?」


この際ルアーネの民という事にしよう。

うん、それがいい!


「あ?ルアーネ?お前…ここはウルセウスだぞ?なんたってそんな遠方から…」

「あ…えと……」


…私にも分かりません。
気づいたらここにいたわけだし…


「あ……うぅ…ここって、ビラーからどれくらいの距離があるんですか?」

「ビラー?ビラーならウルセウスの隣国だな。ビラーに用事があったのか?」


あぁ…よかった…
じゃあビラーからあんまり離れてないんだ…


みんな………
大丈夫だよね?
ちゃんとまた会えるよね…?