ルチア―願いを叶える者



「…不思議…ですね…。本当に…あなたが…傍に……いるよう…です…」


アル?
アル!!
ねぇ、どうしたの!?


見るからにアルは衰弱していた。


何が起こって……


「…さ迷い続けて…一体どれくらい…時間が経ったの…か……」


アルは虚に空を見上げる。


「あなたを…探して…歩いても歩いても…あなたに…届かない…」


…時間……?
私、力を使ってどれくらい眠ってるの?


「…この霧……普通の霧じゃ…なかったみたい…ですね…」


…一体何があったの?
私が寝ている間に…


「体から…力が…抜けていく…。くそ…こんな所で…」


アル!!
駄目、寝ないで!!


目を開けていて…
お願い!!!


「…迎えに…行かなければ……」


待ってる…待ってるから…
ずっと…
私を見つけ出してよ!!!


「…あんな…泣き虫…一人に…は…出来な……」


アルーっ!!!!!
嫌っ…嫌っ………!!!!



視界が真っ黒に染まっていく…


白い霧の世界、アルを取り残したあの世界が遠ざかる。


「嫌……なないで…」


死なないで……


「お…がい………」


お願い……


「……ちど……」


もう一度………
あなたに…会いたい…