………っ…アル!!!


木にもたれかかるアルの姿があった。


アル、しっかりして!!


アルに駆け寄り、触れようとした瞬間…


―スッ


私の手はアルの体をすり抜けた。


良く見ると、私の手は透けている。


一体どうなって…


「…あなたを…迎えに…いかなければならない…のに…」


アルは虚な瞳で私に手を伸ばす。


触れられないとわかっていてもその手に自分の手を添えた。


「あなたに…謝り…たかったんです…」


え…………?
謝るって、あの時の…


『人間?どうだか、風を起こしたり、人並み外れた力を持った者が人であるはずないですよ』


あるのあの言葉……


私はあの言葉を聞いてアルの手を振り払ってしまったんだ…



「俺は…花音に……」

え……?

「俺を…見て欲しかった…」


何…言って……


鼓動が早くなる。
なんか、苦しい……