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「ん…ここは……」


気付けば暗くじめじめとした牢の中にいた。


「え…何で……」


私、ビラーにいたはずだよね?
どうしてこんな所に…?


「…うぅ…寒い……」


本当に何があったんだろう。


「アル?シェス?メル様?」


…誰もいない…
もしかして、私だけ……?


「やだ……誰かっ…」


恐い…
恐い…


『泣かないで…』


…あ……
声に言われて始めて自分が泣いている事に気付く。


『花音、僕が傍にいるから…』

「この声…ルカ……?」

『うん、そうだよ。大丈夫だから、花音は一人じゃない』


ルカ……
大丈夫、私は一人じゃない。いつだってルカがいてくれたもんね…
私を守ってくれてた。


『…僕は君の傍に一番いるのに、一番遠いね…』

「…え………?」


なんでかな…
ルカの声が悲しそう…


『僕には、君を守る為に剣を振るう事も出来ない。君を本当に守っていたのはアルレイナやシェスだよ』


…アルやシェス……


二人は私をいつも守ってくれていた。
傷だらけになったって何度だって立ち上がってくれた…


「ルカは私の心を救ってくれたんだよ?」

『心…?』

「そう心。私がルカに出会えてなければ、私は一生ひとりぼっちだった」


心が死んで、ルリのように誰も信じられなくなっていたかもしれない。


「抱きしめてくれたから人の温かさを知って、大切だと言ってくれたから私も誰かを大切に思えた」


冷え切った私の心を温めたのはルカだ。


「私に愛をくれてありがとう、ルカ」


あなたや、アル、シェスには感謝しきれないほど感謝してる。