ルチア―願いを叶える者



「あなたに選択肢なんてありませんよ。つべこべ言わずに来なさい」


美形さんは私の手を掴み、ずかずかと歩き出した。


その瞬間ー…


ービュオォォッ


金の花びらを纏った風が、私を守るように吹き荒れた。


「ぁっ…ルカ……?」

「ルカ?誰の事です?それより…この風は一体…」


ービュオォォッ


「あなたを守ろうとしているように見えますね。ルチアには何らかの加護があるようです…」

「待ってルカ!!私、この人の話を聞きたい。私がこの世界に来た意味を知りたいの!!私は大丈夫だから…」


あなたがルカなら、お願い、風を解いて…


そう願うと、風はぱったりと消えてしまった。


「ありがとう…ルカ…」


やっぱりルカなんだね…
姿が見えなくても、傍に…


「美形さん」

「俺はアルレイナです」

「アルレイナ…女の人みたい…」

「ふふっ…」

「……………………」


怖い………
この人絶対怖い!!!