ルチア―願いを叶える者



「異世界…まさか…」


美形さんが驚いた顔で私を見つめる。


「あなたはルチア…ですか?」

「えっ…なんで知って…」

「まさか、信じられない。こんな奇跡があるのですね…」


そう言って美形さんは私の前にひざまずいた。


「えぇっ!?ど、どうしたんですか!?」

「ルチア、ご無礼を。あなたが訪れるのを待っておりました」


えぇっ!?
聞いてないよ!!!


「この国を…この世界をお救い下さい」


世界を救う…?
私……が…………?


「あなた様のお力で…」

「出来ません」

「え…?」


きっぱりと断ると、美形さんはぽかんとした顔をした。


「私の力は誰にも使いません。でも、私に出来る事があるなら何でもします」


困っているなら助けたい。でもこの力だけは…


「全く、こちらが下手に出たというのに…」


急に美形さんが悪魔のような笑みを浮かべた。


あ…れ………?
なんか雰囲気が…………