ルチア―願いを叶える者



「…あっ!!!」


その光を辿って行くと、見知った人間がそこにいた。


「アル!!!」


意識を失っているのか、返事はない。


「アル、しっかりして!!」


目をつぶったまま動かないアルを抱きしめる。


…あったかい…
良かった……


ちゃんと生きてる…


「アル……」


アルの頬に触れ、顔をのぞきこむ。


「もう誰も助けられないなんて嫌…」


ただどうしてって歎くだけの弱い自分が嫌…


アルを…シェスを…
みんなを助けたい。


「…っ……?」

「アル!!?」


アルがゆっくりと目を開けた。


「花音…ですか?俺は一体…」

「私達は時空をさ迷ってるみたいなの。早く元の時空に戻らないと帰れなくなっちゃう…」

「そうですか…。だからか、懐かしい夢を見ていたように思います」


アルは頭を抑えて周りを見渡す。


「真っ暗ですね…」

「うん…」

「でも………」


アルは私を見て、手を伸ばす。


「あなたは光っていますね…」

「あ…うん……」


アルの手が頬に触れてる…
あったかいなぁ…


『急いで…花音…』


「…ルカ………?」


『もう時間がない…。元の時間への道が閉じてしまう…』


そんな……
まだみんなを探せていないのに…



「花音、どうしました!?」

「わっ…」


アルは私の肩を掴み心配そうに私を見つめる。