ルチア―願いを叶える者



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『目を覚まして、僕の大切な人…』


………誰……?


『花音、君の力は今を生きる者にしかはたらかない。過去を生きる者には届かない…』


…あ…ルカ…なの…?
じゃあ、あの人はもう…


『……ありがとう、花音。彼女を守ろうとしてくれて…』


どうして…?
どうしてルカがお礼を言うの?


『…さぁ、どうしてだろうね』


…ルカ……


肝心な事はいつも教えてくれない。


私、ルカの事を何も知らないんだな……


『花音、早く君が生きる時空へと帰るんだ。でないと、本当に迷い人となってしまう』


…でも…
私はどうしたら……


『君の生きる時空を思い、帰りたいと願う事…』



私のいた時空を思う…
帰りたいと願う…


『そう、願いは力となるからね。必ず君を元の時空へと帰してくれる』


うん、わかった。
私、願うよ…


『君と、君の大切な者達が迷わないように…』


―フワッ


光が私の前に輝く。



…ルカ……?


『僕が君達を繋ぐよ…』


―ピカアアアアッ


っ…眩しっ……


光が瞬いた。
その光は私を包み込む。