ルチア―願いを叶える者



「一人にして悪かったな。恐かっただろう」


またシェスが私の頭をポンポンとした。


私は首を横に振る。


本当は恐かった。
でも、私よりみんなのほうが恐かったはずだから。


「俺達が気を失っていた間の話を聞かせてくれるか?」

「それならここを離れてからにしましょう。交戦したこの場所に長居するのは危険です」


「そうだな、とりあえず町で宿を借りよう」


そうして私達は町の中へと入った。