「あ…アル…あったかい…」
「当たり前です、生きているんですから…」
「あ…ぁ………」
「さっきから、言葉を忘れてしまったんですか?花音」
アルが小さく笑う。
ちゃんとあったかい…
生きてる…
生きてる……
それをもっと確かめたくて、アルの胸に耳を押し付けた。
―ドクンッ
鼓動が聞こえる…
生きてる証………
「うっ…死なないで…。もう冷たくならないで!!」
「…死にませんよ…これくらいで…」
「うん…」
「あなたの早とちりですよ。気を失っていただけです」
「うんっ…」
アルの言葉が、体が冷たくなった私の心と体を温めていく…


