ルチア―願いを叶える者



「そんな…事………」


…………え……?



声が聞こえた。


「命が…いらない…んて…。馬鹿な…事…」

「…ぁ………」


声がした方を振り返れば、アルが私を見ていた。


「みっとも…なく…ても…。生に…しがみ…つき…さい」

「ァ…アル!!!」


アルに駆け寄り手を握る。今度はちゃんとあったかい。


「…かった……」

よかった……


「生きててくれて…よかったっ……………」


最後の方は声が掠れて出なかった。


これ以上声を出したら、泣き出してしまいそうで…


違う、もう泣いてる…


「何度もお願いしたのにっ…みんなを助けてってお願い…したのにっ…。力が使えなかったのっ…」


私、何もできなかった。
ただ泣いてるだけ、震えてるだけだった…


「ごめんっ…ごめんなさいっ!!私、何もできなくてっ…ごめ……っ!!!!」

「…黙って……」



傷だらけなアルが、私を力強く抱きしめた。