ルチア―願いを叶える者



「私は…この世界の人間でも、ましてや王族でもないから、分からないけど…」


分からないからこそ、私は私なりに分かる事がある。


「頼らない事は罪じゃない、裏切りでもない。誰かに助けを求める事で、救われるものもある…そう思うよ」


偉そうな事だけど、間違いではないと思う。


この国の人は、私のいた世界の人より、心が綺麗だと思う。


誰かの為に…なんて…


私の世界で、誰かが助けを求めたとしても、手を差し延べてくれる人は少ない。


誰かが倒れても、苦しんでいても、見て見ぬふり。大人になるにつれ汚れていく心は、自分の利益のみになる。


それに比べて、この世界は…


私のいた世界よりずっと、美しい世界だと思う。


「お姫様、私達に出来る事があるかは分からないけれど、出来る事もあるかもしれないです。私達を信じて、お姫様」


お姫様に手を差し延べる。

「…っ…私は………」


お姫様は震える手を握りしめる。


信じて……
苦しまないで…


あなたがこの手を求めるなら、私は全力で応えるから…



「…けて………」

「…はい…」

「助けて…お願い…」


お姫様は私の手を縋るように握りしめた。


「姫様、私に出来る事なら喜んで」

「っ…助けて!!ずっと苦しかった!!!」

「はい…」


お姫様を優しく抱きしめる。肩が冷たい…

顔は見えないけれど…
お姫様、きっと泣いてる…