「姫様、何故あなたがこのような場所に?」
「…それは……」
アルの問いにお姫様は口ごもる。
確かに、お姫様ってお城で裕福に暮らしてるイメージがあったけど…
目の前のお姫様はドレスも裂けて、汚れてる。
髪だって葉をつけ、雨で濡れて……
「何があったんですか?私達で出来る事なら、力をお貸しします」
「…………………」
シェスの問いにも、お姫様は口を閉ざした。
…なんだろう……
お姫様、すごく泣きそうな顔をしてるのに、何も言わない。
何かに耐えるように服の裾を握りしめて……
「!!…そうか……」
わかった…
お姫様の気持ち…
シェスやアル、ナルのように、国を背負う人が今までしてきた事…
民の前に立ち、民を導く事。その生活の場所を守る事。
だから……
「たくさんたくさん辛いことがあったのに、辛いって言う事が出来ない…」
「っ!!!!!」
図星だったのか、お姫様は目を見開く。
「民を守る為に、たくさん気持ちを押し殺して…」
そうやって民を守ってきた。
「でも…それじゃあ誰があなた達を助けるの?」
「…花音……」
シェスが私を見る。
そう、これはシェスにも言いたい事。


