先生と話していると、ほかの生徒たちも教室に入ってきた。


補習を受けた人は全部で30人ほどだった。
2時間で、前回のテストの復習と先生が作成したプリントを解くというものだった。

ネクタイはいつもよりゆるめで、第一ボタンを開けている先生はちょっとセクシー。
窓から入ってくるさわやかな風に当たっている先生をずっと見ていた。

「じゃあ杉野っ。ここの問題を解いてみてくれ。」

「えっ私?」

「そうだ。」

先生のことしか考えていなかった私は焦った。

「もういいっ。また後で当てるから。じゃあ山田どうだ?」

「はいっ!ここは・・・」

はあ、やっちゃった。先生、うちのこと呆れたかなあ?

しかも山田さんになんか取られた気分。
山田さんはとても賢いのに、先生に会いたくて補習に来ていたのだ。

次、当てられたら答えられるように私はそれから必死になって授業を受けた。
だけど、当てると言っていたのに結局当てられずに終わった。