私だけ見てて。お願い。

バスの中の空気は重かった。



みんな戦争の悲惨さを痛感したのだろう。



私も明るい気持ちにはなれなかった。



しばらくして、だいぶみんなも海にむけて少しずつ話すようになった。

「もうすぐ海に着くね~。」


「うん!いよいよ待ちに待ってた海やー。」

七海の声が後ろの座席から聞こえる。



「さっきはみんなまいってたけど、海に近づくにつれて、だいぶ騒がしくなってきたなあ。ちょっと安心したよ。」と先生。


「そうですね~。」

「戦争のこと、しっかり学ぶ必要がある。その学んだことを生かして、今自分たちが幸せであることを実感することも、僕は大切だと思う。」


「なるほど~~。」


「ってことで、杉野にもわかってほしい。海、楽しめよ?」


「はいっ!」