夏色ファントム




家に帰り、俺はじーちゃんに今までの一件を全て話した。

凛の最後の言葉を聞いたとき、じーちゃんは泣きそうな顔で笑った。

別に大したことは言ってないと思うんだけど……
何かじーちゃんの中で、グッと来るものがあったのかもしれない。


気付けばお盆だ。
もう少しで、俺の家族もこっちに来るはず。

凛は……迎え火でまた来るのかな?


朝食を摂った俺は庭へ出た。
空は澄み渡り、遠くの方で入道雲が見える。

サワっと生暖かい風が吹き、俺の髪を揺らす。

『……ありがとう』

一瞬だが、凛の声が聞こえた気がした。

ふと空を見上げると、一筋の飛行機雲が白く流れていった。



【完】