「あ、急がなきゃ」

朝の時間の流れは早い。

「そうだぞ。また晴琉と唯時待たせちゃうぞ。」

「それはいつものこと笑」


あたしはスクバを肩にかけて、ローファーに半分だけ足を入れたまま扉を開けた。

急いでエレベーターを降りると、だらしなく座った晴琉と、壁によりかかってケータイをいじる唯時がエントランスで待っていた。

「おせーよ、りんご」

立ち上がった晴琉はベシッとあたしの頭を叩いた。

「痛ぁー!!ハルのバカ。女の子に手あげるなんて!」

「誰が女子だあ?見た目だけだろがww」

「うぅーゆいとー泣」

あたしはいつもハルに負ける。

「あーはいはい。よしよし。」

宥め役は決まってゆいと。