明日香に対する自身の気持ちを、まだ意識し始めたばかりの俺にとっては、苦渋とも言える決断だった。 それでも、少しでも明日香に見合う人間になるため、自信を持てるまで距離を置こうと思った結果が、先ほどのメールだ。 「そっか、頑張ってね」 明日香から返ってきたメールは、想像通りのシンプルなものだった。 まだ明日香の気持ちは解せぬままだが、それが本物であるのなら、彼女はきっと俺を待ってくれるだろう。