「大葉と赤石って、本当に仲良いよな」 「幼馴染みみたいなものだからな」 何気なく言った言葉に、軽く答える大葉。他愛のないやり取りだったが、俺はそこに少し違和感を覚えた。 「そのわりに、お互い名字で呼び合ってるよな?」 「あぁ……中学のときにからかわれたから、呼び方変えたんだよ。」 俺は納得しながら窓の外に目をやった。 それでも意識はまだ大葉との会話から離れきっていなかったようで、一人言とも捉えられるような小さく弱々しいつぶやきを、聞き逃すことはなかった。