疑問に直接は答えず、先輩は俺の返答を聞くと満足げに頷いた。そんな些細な表情まで、段々魅力的に感じている自分の感情に、自身がついていけずにいた。

 先ほどのウェイターさんが席に持ってきたのは、小さなクッキーの添えられたミルクティーとコーヒーだった。
 新山先輩はすぐに何も入れないコーヒーを手に取り、口に付けた。

 俺も少し強がって、シュガーを一つだけ溶かしたミルクティーに口を付けたが、やはり甘さが足りなくて、結局二つ目も溶かしてしまう。
 そんな様子を、嫌みのない微笑みを浮かべながら見つめてくる先輩に、余計に恥ずかしさを煽られる。