「じゃあさ、明日香先輩に勉強見てもらえば?」 大葉の何気ない一言にはっとなる。どうして思い浮かばなかったのだろう。 明日香は二年でも成績上位を争う秀才だ。もとい、争う対象なんて居ないに等しい。 「ナイスアイデア!」 俺が満面の笑みで歓喜を露にするのも束の間、大葉は続けて言葉を放つ。 「ついでに俺も、見てもらおう」 語尾に音符が見えた。彼女との貴重な時間を邪魔されるのは、とても気が進まない。 しかし大葉は、いつもなんだかんだと俺を助けてくれるのも事実。断るのは忍びない。 仕方ない、か。