「先に私の部屋に行ってて。私はお母さんにただいまって言ってくる」
緊張しながら入った家は、恐らく築年数は然程経っていないだろうと見受けられる、二階建ての一戸建て。一人暮らしと言うには、明らかに違和感のある物だった。
それに続いて、明日香の口から出てきた言葉に、疑問を抱かずにはいられなかった。
「お母さん?」
「うん、あれ」
そう言って指差す方向に視線を移すと、まだ新しい仏壇に、綺麗な遺影が一つ。
それは、遺影に写る人物が亡くなったのが、まだ遠い過去ではないことを物語っている。
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