「雄平、最近楽しそうだな」 「まぁね」 俺達の間で交わされる短いやり取り。兄貴なりに俺のことを気に掛けてくれているのだろうと感じられる。 そうこうしているうちに、気付くと時計は九時半を指していた。 慌てて部屋に戻って準備を整え、忘れ物がないかを確認する。 階下へ降りると、未だ寝間着姿の兄貴がリビングから見送りの言葉を掛けてきた。 俺はそれに答えると、意気揚々と家を出たのだった。