だが、その少女は突如、姿を消した。


最後の年、つまり彼女が中学3年の時。

その年の全国大会決勝戦の最中だった。


前半戦までいつものように

ボールを操り、颯爽と、

ゴールにボールを入れていたのに。


後半戦。

彼女は出なかった。

ベンチにすらいなかったという。


だが、もともと前半戦で

点差がついていたため、

真鶴中の勝利となった。


その試合以来、

天才・橘羅琉の姿を

コートの上で見ることは

なくなった。