そっと窓の外を見る。


全て散ってしまった桜の木には、緑の葉がつき始めている。


その下で人が寝ている。


あそこは高梅のサボリ場所。


私しか知らない。


私が知ってることさえ彼は知らない。


「先生、理科室に筆箱置いてきた!取ってきます」


そう言って教室を出ると、先生の何やってんだ学級委員!という怒鳴り声が聞こえた。


先生はお怒りです。


私はもちろん、高梅の元へ向かう。