斜め後ろで高梅は思いっきり背伸びする。


堂々としてますね。


「受験生という自覚を持てよ」


出ましたよ、受験生。


イヤですねぇ、頭が痛くなりますよ。


「先生、時間ですよぉ。はやく帰らないとねぇ」


相変わらず変なイントネーションで喋る高梅。


多分、こんなんじゃ先生も怒る気なくなるだろうなあ。


「…さようなら」


「さようならー!」


皆ぞろぞろと帰っていく。


帰るときは皆早いのね。