高梅をチラッと見ると、少しだけ笑っていた。 「相川ぁ。俺の名前知らないだろう」 「うん、知らない」 「ひどいなあ。俺はね、秋尋っていうんだよ」 「へぇ…」 「ナツにアキ。季節ってことに気付いたかあ?」 ああ、確かに。 でもそんなに喜ぶことじゃないでしょ。 「お前ら、始業式遅れるぞ!」 私たちは顔を見合わせ、体育館へと走った。