君のために俺がいる

目を覚ますと、保健室の外は真っ暗だった。
どうやらもう、夜になっていたらしい。

手が何かに握られている気がして、目を向けると、理香が俺の手を握っていた。
今はもう苦しくないのか、ゆったりとした呼吸をしている。

ああ、よかった。
・・・理香は一度眼が覚めたのだろうか。

「大丈夫だよ。まだ一度も目は覚ましてない」
「香・・・夜?」
「ふふ、何もしてないよ。・・・おはよう。ご飯もってきたけど食べる?」

香夜はにこやかとすっきりとした笑顔で、保健室の入口に立っていた。