「なんでもないですよ…」



 「フ―ン…」



 そう言うと、パッと手を離した。



 「素直じゃねぇな?」



 「え…」


 
 
 どいうこと…? って


 
 
 聞こうと思ったのに、



 それよりも先に先輩の唇で



 言葉をさえぎられた。




 「……ん…」



 
 もれる声が恥ずかしくて


 
 必死に声を押さえる。




 「声、押さえんな」



 「でも、」



 「反論は認めなーい」



 そう言って、また



 あたしの口を塞いだ。