「だったら、別れさせちゃえば、アタシが先輩と付き合っても良いってことだよね?」



 「バカじゃないの!?」



 ガタン、と音をたてて立ちあがる真由




 「アタシは間違ってわよ?」



 「何で…なんで…」



 涙が溢れて声が震える。



 「こんなことで泣くなんて、そっちの方がバカみたい…」


 
 頭上から冷たい声が降ってきた。



 顔を上げると、


 腕を組んで椅子にもたれかかってる愛が目に入る。

 
 
 「アンタなら知ってんでしょ?…アタシのあだ名くらい」



 小ばかにするように鼻で笑う。



 『横取り女』



 小学生の時から


 つけられ続けた愛のあだ名…