心の叫びが先輩に聞こえてるはずもなく…


 「先輩……」


 「ん?」


 「ドキドキさせないでください…!」


 あたしは、離れて欲しくて


 言ったのに…



 「頭の中、オレだけにすればいい」


 
 ドキ――


 
 そーいうことは


 禁句ですよ!


 あたしの耳を甘噛みする。


 「ひゃ…」


 後から回った先輩の手で身動きがとれない


 だから、


 体を軽くひねるのが精一杯の抵抗。


 先輩って…


 オレ様すぎ…


 「ヤバイ…」


 「え…?」


 独り言のように呟いてあたしから腕を離す。


 どうしたんだろう…


 あたしは急いで先輩の跡をついていった。


 

 つい先は、先輩の部屋。