ずっと走ったせいで 息切れ寸前のあたし。 少し呼吸を整えて屋上の扉を開く。 ギイイイ―… 不気味な音が耳に響く。 屋上に出ると空は快晴。 涼しい風が吹いている。 前に先輩と屋上に来たときのこと、 思い出すなぁ… 「先輩っ…」 先輩が近くなると無意識に呼んでいた。 あたしの声に先輩はゆっくり振りかえる。 「遅せぇよ」 「ごめんなさい…」 謝りながらあたしは先輩の近くに行く。 先輩は当たり前のように 自分の隣を手でポンポンと叩く。 いつになっても先輩の隣は 緊張するよ…