【春樹 Said】

 今までの女みたいに

 気安く話し掛けれなかった。


 名前も知らない1年生。

 そんな女がオレはどうしてこんなに

 気になっているんだろう…

 
 「はあああ…」

 いつも廊下で会うたびにため息をついてるアイツ。

 片手には毎日オレンジジュースを持っていて…。

 
 その、ため息女をオレはいつも間にか

 好きになっていた。

 

 アイツが自販でオレンジジュースを買ったとき

 
 「あったぁーあたしオレンジジュース大好き♪」

 
 友達の隣で笑うアイツが

 今までの女のどんなヤツよりもかわいかった。


 いつかオレがアイツの隣にいてくれるようになれば良いのに…

 って本気で考えるようになっていた。

 

 だから、覚悟しとけよ

 
 【春樹 Said END】