「ううん…困ってる時はお互い様」



 「ありがとう…」



 「だから言ったでしょ?



 早くヤらないと捨てられるって…」



 
 うわ…



 この声、見なくても分かる…



 


 「愛…」



 「何しに来たのよ」



 涙を制服の端でグイッと拭いて


 愛を睨む。



 

 「そんな睨むとかわいい顔が


 台無しだよぉ―…」



 クスッと鼻を鳴らして笑う。


 
 「ねぇ…芽衣歌…



 さっきアンタの彼氏の先輩に話し掛けたの



 そしたらね、あたしをいきなり抱きしめて



 芽衣歌と付き合うの疲れたって言ってたわよ?」