「んじゃあ、英語の課題は出さなくても卒業出来る方法あるよ。
それプラス、俺の言うこと聞いてくれたら全部手伝うし。」


「マジ?!どうすれば良いの?!」


キラキラと輝く瞳で清水は、俺を見上げて。


よっぽど真面目に課題をする気がないのだろう。



「俺と付き合うの。」


「―――ッ!」


予想外だったのだろう清水は、ポカンとしたまま停止してしまって。


きっとこの条件なら、飲む以外にないはずだ。


だって明らかに彼女は、こんな課題クリア出来るはずもないのだから。



「……わかったわよ。」


しばらくすると清水は、諦めたのか小さな声でそう呟いて。


瞬間に歓喜の声を出そうとした俺を、悔しそうに見つめた。



「…取り消しはナシだぞ?
ってことで、お付き合い記念に一発♪」


「は?そんなこと一言も―――!」


声を上げた清水の唇を塞ぎ、ニットの中に手を忍ばせた。


最初に抱きついてきた清水の方が悪いんだ。


呼吸さえ出来ないほどにむさぼれば、清水は荒くなった息遣いで瞳を潤ませて。


色っぽいその顔に、余計に興奮してしまう。


だって俺、やっと清水と付き合えるんだぞ?


もうこれで、卒業したって会うことが出来るんだ。


こんなに嬉しいことってないだろ。



「…セナちゃん。
ついでに“愛してる”とか―――!」


言い終わるより先に、頬に添えていた手を噛まれて。


涙目になりながら俺は、声にならない声を上げた。


本当に彼女は、恐ろしいほどに女王様で。


だけどきっと、組み敷いてる時だけは、俺が少しだけ勝ってるのだろう。


いや、そう願いたい。