「…実は彼女、日射病で保健室に向かいましてね?
顔色も悪かったから心配なんですよ。」
“でも私、他の生徒の怪我の治療もあるし”
そう困った顔で頬に手を当てて言う養護教諭に俺は、目を見開いた。
忘れたいのに、忘れられなくて。
心配なんてしたくないのに、こんなことばかり。
「…私の代わりに、様子を見に行ってもらえます?」
「―――ッ!」
俺が何か言うより先に、養護教諭は他の生徒に呼ばれて。
頼まれたまま俺は、固まってしまう。
別に、俺じゃなくても良いはずなんだ。
だけどもし、ホントにアイツがヤバかったら?
そんな風に思うと、自然と校舎の方に足が向いて。
気付いた時には、あの日のように馬鹿みたいに走ってて。
ガラッと開けた保健室は、もぬけの殻だった。
それどころか布団でさえも、誰かが入った形跡さえないほどに整っていて。
結局俺は、アイツの嘘に踊らされただけだった。
そう思うと、無性に悔しくなってきて。
“お前普段、どこでサボってんの?”
“屋上でひなたぼっこ”
確か夏休み、そんな風に言っていたことを思い出して。
そのまま俺は階段を4階まで駆け上がり、
屋上の扉の前で一度呼吸を落ち着かせた。
本当に、何やってんだかわかんねぇけど。
もぉこんな状態、いい加減限界で。
ゆっくりと、そのドアノブに手を掛けた。
顔色も悪かったから心配なんですよ。」
“でも私、他の生徒の怪我の治療もあるし”
そう困った顔で頬に手を当てて言う養護教諭に俺は、目を見開いた。
忘れたいのに、忘れられなくて。
心配なんてしたくないのに、こんなことばかり。
「…私の代わりに、様子を見に行ってもらえます?」
「―――ッ!」
俺が何か言うより先に、養護教諭は他の生徒に呼ばれて。
頼まれたまま俺は、固まってしまう。
別に、俺じゃなくても良いはずなんだ。
だけどもし、ホントにアイツがヤバかったら?
そんな風に思うと、自然と校舎の方に足が向いて。
気付いた時には、あの日のように馬鹿みたいに走ってて。
ガラッと開けた保健室は、もぬけの殻だった。
それどころか布団でさえも、誰かが入った形跡さえないほどに整っていて。
結局俺は、アイツの嘘に踊らされただけだった。
そう思うと、無性に悔しくなってきて。
“お前普段、どこでサボってんの?”
“屋上でひなたぼっこ”
確か夏休み、そんな風に言っていたことを思い出して。
そのまま俺は階段を4階まで駆け上がり、
屋上の扉の前で一度呼吸を落ち着かせた。
本当に、何やってんだかわかんねぇけど。
もぉこんな状態、いい加減限界で。
ゆっくりと、そのドアノブに手を掛けた。


