「…最悪だな、俺…」


そう呟いた時には、指先の感覚さえもなくて。


ドンッ、と。


握り締めた拳のまま、フローリングに叩き付けた。


何も言わないアイツの気持ちなんか、わかるわけねぇじゃん。


俺、何かした?


魚食ったの悪いんなら、もぉ食わねぇし。


学校でキスしたの悪いんなら、ちゃんと謝るから。


模試の答えだって、今度からはどうにかするから。


だから頼むから、この関係終わらせるなよ。


この関係が無くなったら、お前との繋がりなくなるじゃん。


学校辞められたら、どうすることも出来なくなるじゃん。



「…死にそう…」



何が原因かなんて、わかるはずもなかった。


アイツの脳みその中なんか、俺にわかるはずもないんだよ。


わかろうとしたのに、って。


そんな風に思うと、やっぱり悔しくなって。



「…どうやったら、信じてもらえんだろ…」



思い返せばいつも、俺は無理やりヤってたのかもしれない。


だけど、俺んち来るって、そーゆーことだろ?


それとも、俺のこと好きだから来てくれてたのかな。


いや、そんなことあるわけねぇか。


何かに悩んでいたとするなら、それを言わせなかった俺は最低で。


“好き”って言葉さえも信じてもらえないなら、どうすることも出来ねぇじゃん。


どうすれば、何を言えば信じてくれるんだろう。


頼むから、学校辞めんなよ。