年下彼女に負ける俺-2-

放課後になれば。

今日は掃除がないから早く帰れて、そんなちょっとしたことも嬉しく思える。



家に帰れば大好きなあの人は家にいるはずで、そのことを頭の中で想像すれば私の身体は自然と勝手に動く。



「あれっ、美桜子もう帰るの?」

荷物を持って教室を出ようとすると、優に声をかけられ私の足は止まる。



「うん!掃除ないから!」


「そっか。バイバイ!!」


教室の掃除をしながら手を振ってきた優に、私もバイバイと言いながら手を振っては教室を出た。






いつもよりちょっとだけ、ちょっとだけ早く廊下を歩いて階段を下りる。

帰る私と違ってまだみんなは掃除をしていて、中には私のことを羨ましそうに見る人もいた。