年下彼女に負ける俺-2-

「うわ…上履きビショビショだよ。」


なんて言いながら個室を出ると、トイレの出入り口付近で女の子が座りこんでいた。

髪も制服も濡れていて、それこそ私の上履きなんかよりもビショビショだった。




「大丈夫?」


座りこんでいる彼女をこのまま素通りして放っておくことなんてできるわけなくて、私は声をかけた。


立ったまま覗き込んだ彼女の頬には涙がこぼれ落ちていて、やっぱりさっきのはいじめられていたんだと思った。




「大丈夫…だから。」


そう言う彼女は、すぐに頬に流れた涙を拭うと、立ち上がってはトイレを出て行ってしまった。






「あの子、大丈夫かな?」


そう思いつつも、私も教室に戻らなくてはいけないので、とりえずトイレを出ては教室へと向かった。