立ち上がり、あたしはリビングにいる瑠衣のお母さんに『おじゃましました』とだけ言って家を出た。
外は夏の終わりを知らせるような風が吹いていて、少し切なくなる。
海にでも行ってみようかな。
きっと誰もいないと思うけど。
気分転換に海へ行き、このまえ瑠衣が気を失っていたところを見てみた。
大きな岩があって、何度かあの2人がこの上で話しているのを見たことがある。
登ってみると、意外と怖いことに気づいた。
腰を下ろし、あたしはバッグから一枚の写真を取り出した。
最後の日の2人の写真。
別れを予想させない幸せそうな笑顔。
それを見ていると海の向こう側で、何かがあたしの目に入った。
「んっ?」
向こうに見える岩の上に誰かがいる。
あたしは目を凝らして見た。
視力がいいわけじゃないからぼんやりとしか見えない。
「なに?」

