「じゃあ、そろそろ帰るね」 あたしは振り返り、ドアノブに触れた。 「待って、梢」 呼び止められて、思わず止まってしまった。 「な、なに?」 振り返らずに聞き返した。 「俺、その子を助けたいんだ」 意外な言葉だった。 もしかして全部思い出しちゃったのかと思ったから。 「もう泣いてるところを見るのは嫌なんだ。どうすればいい?」 「………」 あたしに分かるわけないのに。 彼女を笑顔にできるのは瑠衣しかいないのに。 お互い唯一無二の存在なのに。 どうして2人は別れなきゃダメだったんだろう……