「あたしも…たぶん瑠衣と同じ夢みてる」
「えっ、まじ!?」
「うん。すごく可愛い子でしょ?きっと同じだわ」
何か隠してるって悟られないように、できるだけ自然な感じを保った。
「気になって、『なんで泣いてるの?』って尋ねたの。そしたら彼女ね、『好きな人に会えなくて寂しい』って言ってた」
「好きな人……」
「うん。もしかしたらあたしたちの知り合いかもね」
全て作り話だけど、きっと瑠衣は彼女を思い出さない。
だからこれも……
「はい、遅くなったけど誕生日プレゼント」
あたしは砂時計を彼に手渡した。
「砂時計?」
「うん、持っとけばきっといいことあるよ」
「ふーん……ありがとよ」
やっぱり見せても何も思い出さない。
本当に…本当に瑠衣は海羅ちゃんを忘れてしまったんだな。
でも確実に瑠衣は変わった。
記憶は消えても、彼女は瑠衣の中に何か大きなものを残していったみたいだった。

