Beautiful Mermaid




「あの、すみません」


友達と遊びに行った帰り、家に着くところで急に呼び止められた。


振り返って声の主を確認して、ものすごくびっくりした。



「あなた……」

「梢さんですよね?瑠衣と幼なじみの」

「そうだけど」

「あたし海羅っていいます。あなたにお願いがあるんです」


複雑そうに真剣な表情を浮かべていた。



「どうしたの?」

「梢さんは、瑠衣のことが好きなんですよね?」

「えっ……」


もちろん驚いた。


誰にも言ったことがなかったあたしの気持ちを、親しくもない彼女が知っていたから。



確かにあたしは瑠衣が好き。


それは小さい頃から変わらない。


でも伝えることはできなかった。


誰かに相談することも。


瑠衣があたしをそういう目で見てないことは明らかだったし、想いを伝えて今の関係を崩すのが嫌だったから。