もしあの話が本当なら、奇跡というものも信じる価値があるのかもしれない。


でもそれは人によるもの。


悲しいものなら、最初から奇跡なんて望まない。


そうすれば、平凡の幸せに気付くことができるから。












小さい時から、あいつの家には数え切れないほどお邪魔してる。


そして今日も、いつもの部屋のドアをノックした。



「はーい」


覇気のない返事を聞いて、あたしは中に入る。


中を見ると、ベッドに座るあいつと目が合った。